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インドブロックプリントを学ぶ その①
2024.02.06みなさんお久しぶりです、Hirokoです!
商品開発を目的として私はこれまで様々な国に行っていますが、2023年は日本からなんと約6,000㎞離れた、世界人口1位の国・インドに行ってきました!
なぜインド!?と思われたに違いありません。
それは商品開発で調べものをしていた際に、「ブロックプリント」との出会いから始まりました。
ブロックプリントとはインドの伝統工芸で、木版にインクを付け、
スタンプのように布に押し当てながら色や柄を生地に染色することです。木版づくりから生地になるまですべての工程が手作業で行われています!
そのため、機械では出せない温かみのある色合いや風合いがとても素敵です。
そんなブロックプリントが実際にどのような工程を経て作られているのかを学ぶため、
インドに行ってきました!
今回訪ねたのは、インドの首都・デリーから飛行機で45分ほど離れた「ジャイプル」という都市です。古い建物が多く、旧市街の建物はその色から「ピンクシティ」と呼ばれています。ジャイプルではブロックプリントの工程を学ぶため、いくつかの工場を訪問させていただきました。
ブロックプリントで用意するのは、色の付いていない布・木版・インクの3つです。
まず、柄の背景となる色の版から布に押し付けていきます。
台に乗せられた布に隙間なくスタンプしていき、扇風機を置いて乾かしながらの作業です。
また、色がうまく載っていない部分は綿棒などでインクを付けてムラがないよう修正していきます。そして、また別の版を同じ要領で重ねていき、柄を完成させていきます。
例えばこの写真の柄ではベースの薄紫で1版、オレンジ・ベージュ・紫でそれぞれ1版、
さらに輪郭の線で1版あるので、計5版を重ねています。同じ工程を5回も繰り返すことで、ようやく生地として美しい柄が浮かび上がるのです!
色が多い柄になるほど木版の数も増えますが、その木版も全て職人の手によって作られています。
工場には木版が床にずらり。
特に柄を縁取る輪郭の版は、写真のようにとても細かいです!
訪れた日は新しい柄をプリントしており、職人の手によって微調整を加えつつ作業されていました。
そして柄をきれいに重ねるのも職人技です。木版についている持ち手の両端を手の側面で数回打ち付けるこの難しい工程も、
ベテランの職人は迷いなく正確に版を押し重ねていました。
全てが手作業ということで、1日にできる生地は単純な柄でも50mほど。
より複雑な柄になると10mほどしかできないそうです。また、インドは雨季と乾季があるため、仕上がるスピードも季節や天候に左右されます。
実際に見学すると、労力のかかる大変な作業を経て作られていることを実感できました。最近では機械で作られるブロックプリントも増えているみたいですが、
写真のように所々版の境目が見えるものこそ本物のブロックプリントの証です。こうして全ての版を重ねて乾かした布は、色落ちを防ぐため薬品をいれた液に浸します。
液体に入れた瞬間、成分が反応して色が変わります!
こちらの写真は赤く染めた生地を薬品につけることで、手前の生地が青色に変わっています。
他の柄生地も、液につける前と後で柄がはっきりと浮かび上がりました。
別の工場では、蒸気を利用して色落ちを防ぐ工程がありました。色が変わることを踏まえた上で色付けされているとは…
とても手の込んでいる伝統工芸だと改めて感じました。最後に、水で洗い流して乾かすことで生地が完成します。
以上の工程を経て出来上がった生地はとても美しく、色使いも日本のものとは違い、
カラフルでかわいらしいです!
訪れた日がお祭りだったこともあり、女性の服は伝統衣装のサリーを着ている人が多かったですが、
実際に街ではブロックプリントの服を身にまとっている女性もよく見かけました。皆さま、ブロックプリントの魅力を感じていただけたでしょうか。
私は実際の作業工程を知ったことで奥深さを感じることができ、よりブロックプリントに興味が湧きました!皆さまもブロックプリントに対する見え方が変わったのではないでしょうか。
後編では、ブロックプリントの生地がカープグッズになるまでのお話です!
お楽しみに^^